尿が出ない、勢いがない

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尿が出ない、勢いがない

尿が出にくい、尿の勢いが弱いといった排尿の異常は、男女ともに生活の質に大きな影響を与えます。
尿意を感じているのに排尿できない「排尿困難」、お腹に力を入れなければ出ない「腹圧排尿」、若い頃に比べて尿の勢いが弱くなる「尿勢低下」、排尿の途中で尿が途切れる「尿線途絶」などがあり、症状の現れ方は多様です。
尿が出にくくなる原因は、膀胱から尿道までの通り道に障害がある場合と、膀胱の収縮が正常に起こらない場合に分けられ、男性では前立腺肥大症が最も多く、男女ともに神経因性膀胱が膀胱収縮障害の代表的な原因となります。
ここでは、尿が出にくくなるトラブルについて詳しい原因を紹介します。

尿が出にくい(排尿困難)の原因

排尿困難の原因には、前立腺の疾患、尿道の狭窄、神経因性膀胱、前立腺炎、骨盤臓器脱、尿道カルンクルなどがあり、性別や年齢によって現れやすい原因は異なります。
また、それぞれの原因によって症状の特徴や現れ方も異なります。

前立腺肥大症

前立腺は男性にのみ存在し、膀胱の下に位置するクルミのような形の組織で、尿道を取り巻くように存在しています。
前立腺は内腺と外腺に分かれ、前立腺肥大症は内腺が大きくなることで尿道を圧迫し、排尿困難、頻尿、尿勢低下、残尿感といった症状を引き起こします。

前立腺がん

前立腺がんは前立腺の辺縁に発生することが多く、初期にはほとんど自覚症状がありません。
排尿困難などの症状が現れる場合は、前立腺肥大症を併発していることが多く、進行はゆっくりで早期発見による治癒も可能です。
加齢によるホルモンバランスの変化が発症に関与すると考えられています。

尿道狭窄

尿道狭窄は、尿道が外傷や感染症、医療処置によって損傷され、修復過程で瘢痕化し内腔が狭くなる状態です。
尿道の内腔が狭くなることで、排尿困難や尿勢低下が生じます。
原因としては、尿道の外傷や淋菌・クラミジア感染による尿道炎、膀胱鏡などの医療処置、硬化性苔癬の尿道への進展などが挙げられます。

神経因性膀胱

神経因性膀胱は、脳や脊髄の病気によって排尿を制御する神経が障害され、膀胱に尿を十分に溜められなくなったり正常な排尿ができなくなる状態です。
原因には脳梗塞やパーキンソン病、脊髄損傷や腰椎椎間板ヘルニア、糖尿病や骨盤内手術による末梢神経の障害などがありますが、内服薬の影響で膀胱収縮力が低下するケースも考えられます。

前立腺炎

前立腺炎は前立腺に炎症が起こる病気で、急性では高熱や排尿時の痛み、排尿困難を伴い、慢性の場合は下腹部、会陰部、そけい部の不快感や排尿時の違和感が現れます。
細菌感染による場合とそれ以外の場合があり、症状の現れ方は異なります。

骨盤臓器脱(女性)

骨盤臓器脱は子宮、膀胱、直腸などの骨盤内臓器が下がって膣外に出てくる状態で、女性特有の病気です。
普段は骨盤底筋群によって支えられていますが、出産や加齢で筋群が緩むと臓器が下がり、子宮脱、膀胱脱、直腸脱と呼ばれる状態になります。
違和感のほか、頻尿や尿漏れ、排尿困難などの症状が現れます。

尿道カルンクル

尿道カルンクルは尿道出口にできる良性腫瘍で、閉経以降の中~高年女性に多く見られます。
小さいものは無症状ですが、大きくなると排尿困難や出血、疼痛などが生じることがあります。
症状が強い場合は手術による摘除が検討されます。

尿が出ない状態が続く場合のリスク

尿が出ない状態が続く場合のリスク

尿が出にくい状態が続くと、膀胱に尿が過剰に貯まり尿意はあるのに排尿できない尿閉が生じます。
膀胱に溜まった尿が腎臓に逆流すると腎臓が拡張する水腎症を起こすこともあり、腎機能障害や尿路感染症のリスクが高まります。
尿が出にくい、あるいは出ないなどの症状が続く場合は泌尿器科を受診することが重要です。

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